司召(つかさめし)の巻

第396回「司召」の巻(改)

第396回「司召」の巻
1.起句 司召は秋の季語。その昔、国司、郡司などに任命された役人が宮中で辞令を受け取ったとか。大使着任の挨拶には、馬車か車かオプション。たいていの大使は馬車を選ぶのだそう。
5句。「紅(あか)勝て! はるか南氷洋より声援を送る」というのが、二昔前の紅白歌合戦の定番でした。
12句。あおり運転のFM. 週刊誌によれば、女子監禁、タクシー運転手監禁、DVで妻が失明など。創造主の考えはうかがい知れない。
17句。前句の「花」は「ああ玉杯に花受けて」を踏まえている。(ボクは一度も歌ったことはない。)鼻持ちならない単細胞エリートをよそに、ブランコを漕ぐ寮生もいたかも。
24句。水木しげるの「ラバウル戦記」から。現地人のソルジャーボーイたちの早朝の襲撃を奇跡的に逃れて、泳ぎ、ジャングルを彷徨って、やっと生き延びた水木二等兵。必読。
31句。東方の三博士がキリスト誕生を祝いに、星に導かれてベツレヘムまで来たという話。ベート(Β)はもともと三角形が横に2つ並んだ象形文字で、ヘブライ語で「家」という意味。(90度回転して今のβになった。)レヘムは同じく「肉」という意味。ボクは幼稚園の園児だったころに、尚綗女子短大のクリスマス・セレモニーで、東方の三博士の一人をやらされた。カーテンを纏い、頭にターバン。「東の国の博士です。イェス様拝みに参ります。ピカリー、ピカリー、参ります」と歌いながら。会場大爆笑。三博士は、カスパール、メルヒオール、バルタザール。ウィーンの正月には子供たちが三人、ボール紙の冠を被ったり、顔にひげを描いたりして、各戸をまわって、歌う。そのあと気がつくと、ドアの上の壁に、C M B と三博士のイニシャルが書いてある。いきなりピンポンと来たので、応対できなかった。お菓子の袋ぐらい準備しておけばよかった。