なぜ日本の米は1㎏500円もするのか。
スーパーや生協で買物をしたことのある人なら分かると思うが、おおよそ2㎏で約1,000円で売っている。
ま、980円なんて場合もあるし、魚沼産コシヒカリだと1,200円したりする。
ウィーンでは、20年前でも10年前でも今でも、1㎏でほぼ100円(1ユーロ)である。おそらくパリでもローマでも1㎏で100円ぐらいだろう。
不味いわけでもないし、石が混じっているわけでもない。おいしい米だ。しかもあのあたりには水田はない。
輸入、運搬ほかのコストがかかって、1㎏100円である。自国で生産している日本で5倍もするのはなぜだろう?
なおかつ驚くのは、大学から在外研究で1年ほど外国暮らしをしていたセンセイたちが、気づいていないことだ。
むかし 安成二郎という歌人が
豊葦原瑞穂の国に生まれきて 米が食えぬとは ウソのよな話
言霊の幸う国に生れきて ものが言えぬとは ウソのよな話
と歌った。少々もじって、「米が5倍とは ウソのよな話」としたい。
← (数日後)ちょっとネットで調べてみた。名前だけ知っていた米価審議会はとっくの昔に解散していた(審議の結果を代議士のセンセイ方が無視して勝手に米価を決めたため、らしい)。減反政策は2017年度で終ったらしい。そして今年(2018年度)は業務用のコメ(おにぎり、とか外食産業のコメ)が150万トン不足するらしい。飼料米(家畜の餌)に手厚い補助金が出るために農家が飼料米にシフトしたためだとか。卸売価格は飼料米が㎏あたり20円、業務米が㎏あたり200円(すでに100円の倍だ、でもまだ500円じゃない)。そして意欲ある農家はブランド米に情熱を傾けているらしい(これが㎏あたり500円になるのかも)。ネットで調べると、農林水産省はきめ細かく「米の相対取引価格」を発表している。けれどもそれは「全銘柄合計で17万トン」の統計だ。それ以外の、つまりほぼすべての米の価格はどんな風に決められているのだろう?
自慢じゃないがオレは戦後の学校給食で脱脂粉乳、つまりアメリカの豚のエサを食わされて育った世代だ(あまり育たなかっが)。ブランド米なんか食わなくてもいい。ふつうの米でいい。どういう仕掛けで㎏あたり500円の米しか売っていないのだろう? 「オレたちは知っている、だから黙っている」という人たちがきっといる。