ソロプティミストは動くだろうか?

ソロプティミストという世界的組織がある(日本にも、日本各地にも支部がある)。「女性の地位向上、万人の人権、平等・開発・平和」等をモットーにする団体だ。(語源はラテン語の、sorores optimae。姉妹の最大値、女性の最大限の発展と訳せるだろう。)
女性は一般的に言って、手が小さい。男性のボク Kurze Finger のスパン21,5㎝は、ほぼ女性のスパンの平均値である。標準鍵盤ピアノのキーの幅が広すぎて、届かない。だから女性の半数以上は、標準鍵盤から締め出されているはずである。「なぜ女性は抗議しないのだろう?」と、かつて拙ブログに書いたことがある。
そうだ! ソロプティミストがメーカーに対して、文科省に対して、抗議の声を上げればいいんだ、と思いついた。でも実際のソロプティミストは、顕彰事業でお金を出すだけであるらしい。
https://www.soro-jpf.net/
女性の可能性の最大限の実現のために、動いてはくれないだろうか? もともとは国際組織なので、シドニーのロンダ・ボイル氏に打診してみた。結果ははかばかしくなかった。いわく「スパン何㎝から、締め出されていると定義できるのか?」「1-5のスパンだけでなく、2-5のデータも必要である」などなど。まあ学者先生だから、アバウトな統計値に基づいて世界的組織に提言するわけにも行かないのでしょう。とはいえボイル氏のデータには「女子学生のスパンのデータが、男子学生の2倍ある。教師になろうという学生に女子が多いため。客観的データといえるかどうか」などと、さらに面倒なことを言っている。えーと、申し訳ないが、PASK(選択できるキーボードを望むピアニスト)に関係するのは、プロのピアニストと、音大生と、一部のアマチュアだけ、と考えるべきです。そして前2者は、わりと簡単にデータがとれます(アマチュアのデータは無理でしょう)。教育学部、幼稚園や保育園のセンセイについては、PASK はほぼ無関係です。まず中学校、高校の音楽の先生について言えば、ショパンのエチュード24曲をマスターする必要はまったくない。先生より上手い生徒がいるので、そいつに伴奏させたり、指揮を命じたりすればよい。先生は合唱団の指導、ブラスバンドの指導にあたって、深い見識、展望、人心掌握など、さらにできれば希有な音楽的才能を発揮すればよい。小学校低学年、幼稚園、保育園の先生は、ピアノを弾きこなす必要はまったくない。子供たちの動きを把握し、一緒に弾き歌い(これが難しい)などする。そのためには、低減された楽譜、左手は一音、右手も二~三音程度の、弾きやすい伴奏譜が必要だ(今はもう、そうなっているのだろうか?)。そういう先生志願者たちがチェルニー40番とかで苦労する必要はないし、まして10度が届かないからといって絶望するはずもない。
うーむ。ここまでこう書いてくると、PASKが、ニッチというか、一部の特殊な人びとの運動にすぎないような気がしてきた。
それなら、そこから出発すればよい。LGBT(性的マイノリティ)は、日本では7.6%だそうだ。(そんなに!) ピアニスト(学生、アマチュアを含む)の、キーボード上のマイノリティは、どう考えても50%前後はいる。こういう人びとの抗議の声が、無視されてよいわけはない!! (抗議の声が上がっていないのが現状。なんなんだ、これは?)
6年前、ボク Kurze Finger は、ザルツカンマーグート(オーストリア)のシュタイアに調べ物に行った。そこではシュタイアのソロプティミストたちが、同地縁(ゆかり)の某作家RMの旧居に、記念銘板(Gedenktafel)を設置したところだった。調査は順調、至れり尽くせり。ソロプティミストのおばちゃんたちの元気なこと。何でもやってしまいそう。日本ではそうはいかないのかな。

Kurze Finger もいます。 

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