フランクフルト新聞が報道しました

フランクフルト新聞(Frankfurter Neue Presse)学芸欄
2024年5月21日 火曜日13ページ

楽音はより繊細に、より巨匠的に。
シュトゥットガルト発。これはヨーロッパ初の出来事だった。「ピアニストの機会均等の里程標」をシュトゥットガルト国立音楽・演劇大学の学長アクセル・ケーラーが発表したのだ。オーケストラのリハーサル室にいる彼の後ろには、ピアノ音楽界のロールスロイス、スタインウェイ&サンズ社の大型Dコンサート・グランドが鎮座している。これは特注によりクルーゲ鍵盤製造社が調整したもので、奥行き2,74メートルあり、世界のステージのナンバーワンである。このシュトゥットガルトのスタインウェイの特徴は、標準的なコンサートグランドピアノよりも鍵盤の幅がオクターブ12ミリほど狭いことで、女性ピアニストの87パーセント、男性ピアニストの24パーセントにとって、実に大きな違いをもたらしている。というのも、何百万人ものピアノ奏者、特に女性やアジア人が大きな手を望んでいるのに、ピアノの鍵盤は1880年以来規格化され、統一されているのだ。

シュトゥットガルトのウルリケ・ヴォールヴェンダー教授が推進する「シリウス6.0」構想は、4年間のテスト段階を経て、このたびクラウドファンディングによって、大型スタインウェイ用の3万ユーロ(約500万円)の交換可能な鍵盤を製作することに成功した。アメリカやオーストラリアの大学では、6.0や5.5のキーボードが以前から使用されているが、これはヨーロッパでは初めてのことだ。

パイオニアであるヴォールヴェンダーと彼女の同僚のシルヴィア・モランは、シュトゥットガルトのスタインウェイで重要な段階をクリアした、グローバルにネットワーク化された「シリウス6.0」未来構想をはっきりと見せてくれた。

モランはまた、このスタインウェイを奏でる最初のピアニストとして、1936年に作曲されたヴィラ=ロボスのImpressoes Seresteirasで、その可憐な指を最新の鍵盤の上で踊らせた。この運動に加わったニュルンベルクの2人の教授も、大胆にもスリムな鍵盤に挑戦している。ヴォルフガング・マンツは超難曲、フランツ・リストのハンガリー狂詩曲第6番に果敢に挑み、オーレリア・ヴィソヴァンはドビュッシーの「喜びの島」で陶酔に浸った。

また学生たちの多くの演奏からも、明らかに聴きとることができる、すなわち、音はより繊細になり、より巨匠的に、より健康になっている。ついに、ラフマニノフのような「前肢」を持たない人々も、彼の作品を彼のように易々と演奏できるようになったのだ。bbo

Taekoさんがこの記事をYoutubeにアップしました。

これにより、ドイツのメディアではテレビ局(南西ドイツ・テレビ)、新聞社(フランクフルト新聞)の記者が、そして編集局のスタッフが、細幅鍵盤の存在と必要性を理解していることが分かります。日本のメディアはまだ理解を示していないようです。
BGMはボク Kurze Finger が、DS 5.5のコンソールで弾いています。林 知行編曲の楽譜は @elise (アットエリーゼ)で購入できます。『素敵なあなた』(Bei mir bist du shein)。

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