目の前の靄(もや)が晴れたよう(Dr. 木山弁護士が試弾しました)

スタジオの駐車スペースにドイツ車で乗りつけたDr.木山さんは、現役の弁護士で、いわゆるピアノ再開組でした。幼稚園から12歳ごろまで習っていたとのこと。
スパンは約19㎝。日本女性としては恵まれている方かも。

また、幼少時から習っていたためか、指が広角度で開きます。(ボク Kurze Finger は7歳~9歳と紙鍵盤だったためか、拡がりません。とくに2指~4指。)
今回Dr.木山さんが持参した楽譜(iPad)は、モーツァルトのソナタ K 331 (トルコ行進曲付き)。

とりわけ問題だったのは、第一楽章の第三変奏曲。右手がオクターブでメロディーを奏でるところ。この部分を、1-5、1-4、さらに1-3で弾くのが楽譜の指示である。

NHKの「スーパーピアノレッスン」では、「手デカ」のお兄さんが楽譜通りに弾いている。

これをDr.木山さんが、標準鍵盤で指示通りに弾くのは至難の業、というよりほぼ不可能である。6.0(Brother)で弾いてみる。

若干の慣れは必要だろうけれども、どうにかクリアできそう。
さらに5.5(Walter)で弾いてみる。

これも慣れが必要、というか、むしろ広すぎるスパンを調整すればラクラクと弾ける状況になっていると思われる。
ちなみに春秋社の楽譜では、当該箇所の指使いは違っている。

ここではオクターブのメロディーを1-5、1-4だけで打鍵する。監修の井口基成は標準鍵盤を前提に、日本人の手(おそらく井口自身の手)に合うように指番号を指示したのであろう。将来に向けて銘記すべきは、指番号というのは決して絶対的固定値ではないこと。多元連立方程式のように、鍵盤幅、奏者の手のスパン、さらには奏者の曲想によって、いくらでも変化する変数であることだ。
このあとDr.木山さんには、第三楽章トルコ行進曲の、オクターブでメロディーを弾く箇所を試弾してもらった。まず6.0(Brother)で。

次に5.5(Walter)で弾いてみる。

若干の慣れは必要だけれども、これで気持ちよく弾けそう。
以上は細幅鍵盤の6.0(Brother)と5.5(Walter)の動画だけです。標準鍵盤の動画はありません。(ちなみにこれまで試弾に来られた方々のうち、標準鍵盤(CasioのPrivia)に触れた人は一人もいません!!!
試弾の翌日Dr.木山さんから、以下のメールをいただきました。(本人了解済み)

Kurze Finger 様
ピアノの試弾をありがとうございました。
モーツァルトのk331などを試弾させていただきました。
DS5.5の鍵盤だと、曲の中で出てくるオクターブでの移動について、1と3の指で掴む指遣いでもできそうで、驚きました。普段は、全て1と5で移動するのがやっとですし、弾きこなすことができないのに悩んでいましたので鍵盤幅が違うとかなり弾きやすさに差が出ますし目の前の靄が晴れたような気持ちです。
ブログで詳しく紹介していただいたためハイルンピアノを注文することができましたが、いずれはDS5.5のピアノを手に入れたいので、引き続きまた新しい情報がありましたら共有いただけましたらありがたいです。ウォルター社のコンソールピアノも大変音や弾いた時のタッチの感触がよく、家に置くならグランドでなくても良いかもと思いました。
今後とも細幅鍵盤の推進のために情報交換させていただければと存じます。どうもありがとうございました。

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