愛器ブラザー(6.0)は Piapit へ(修理です)
「これは、巻き線が弛んでるんですよ」とDr. S.氏。ボン線とかジン線とか言うらしい。
先月試弾に訪れたDr. S.氏は、医師であると同時にピアノ博士でもあるらしい。
わがブラザー・ピアノ(昭和48年製の細幅鍵盤DS 6.0)の低音部の5つほどの音が、前々からズンと濁っていた。調律師のISAMU. H氏は「ハンマーの針刺しがよくなかった」と説明していたのだが、どうやら違うらしい。
51年経過するうちにピアノ線の弾性が失われ、また、巻き線が弛んだらしい。
Dr. S.氏の勧めに従って、千葉県は印西市の Piapit に修理に出すことにした。
Piapit の渡辺代表は、ものすごいピアノ・マニア。ブラザーの細幅鍵盤を見るなり、「おお、いいものを見せて貰った」と上機嫌。(例によって調律や修理の際には、あらかじめボクが前板や鍵盤蓋を取り外して待っている。)
Steinbuhler-Walter社のDS5.5のコンソールを見て、こんなことも出来るのか、と、益々上機嫌。
オクターブ 6.0インチと、オクターブ 5.5 インチのアップライト・ピアノがあるのは日本でここだけです、と言うと、おお、と感激した様子。どれほど珍しいものであるかは、後日千葉ニュータウンの Piapit に行って分かることになるのだが。
「標準鍵盤は女性の8割にとって大きすぎるし、男性の2割5分にとってもそうなのです」と説明して、PCでシュトゥットガルト音楽演劇大学のSirius6.0導入を報じる、南西ドイツ・テレビの字幕入りニュースを見せたところ、「うん、その通りだ」とすぐさま賛同。
その日のうちに渡辺順一氏のX(旧Twitter)にアップしてくれた。迅速な対応。
修理の見積りは、弦交換(バス)、アクション総合調整、バランス・ピン磨き、Key上面均し、運送費こみで、きわめてリーズナブル。(ここには書けません。)
Dr. S.氏が送ってくれたレシピには「弦をRöslau弦(ドイツ)に取り替えると格段に音が綺麗になります」とか「響板のニスを剥いで研ぎ出し、再塗装するとよい」などなど理想的なオーバーホールが詳述されていたけれども。ボクとしてはDS 5.5の小型グランドピアノの入手が優先なので、今回はミニマムに留めた。
Piapit (クリック)