東京都のYさんが試弾しました。Bach: Preludio 2.
タクシーで到着したY子さんのリュックサックには、大量の楽譜が詰めこまれていた。
ほとんど取り憑かれたように、次々に試弾してゆくうちに、あっさり三時間が経過していた。
試弾者が来訪すると、いつも起こることなのだが。かっこいい曲だなと思ってチェックすると、今回はモーツァルトのピアノ協奏曲第20番ニ短調、K.466 だった。(残念ながら録音・録画できなかった。)
その代わり、バッハ平均律曲集1の Preludium 2 を録画することができた。「もう何年も弾いていない曲ですけど」とYさん。しかも不慣れな細幅鍵盤DS 5.5。それにしてはよく弾いているのでは。
Yさんも、ピアノ再開組。細幅鍵盤に関心を示す方々は、圧倒的にピアノ再開組が多い。というか、ピアノ再開組だけが、細幅鍵盤に興味を示す。これはどういうことなのだろうか。
右手のスパンは、ほぼ19,3㎝。女性としては大きい方だ。
左手のスパンは、20㎝ぐらいか。
日本人女性としては、むしろ恵まれているスパンではないだろうか。
一般的に、標準鍵盤(ボクは因習鍵盤と呼んでいる)を弾きこなすためには、スパン24㎝~26㎝が必要と言われている。そういう「手デカ」さんは、それでいいだろう。そうでない、手の小さい人は、どうしたらいいのだろうか。
鍵盤サイズの小さいピアノがあれば、それでよいのだ。それが生産されていない。なぜなのか。謎です。
Y子さんから、後日メールが届きました。
「先日は細幅鍵盤ピアノを試弾させていただき、本当にありがとうございました。
実に貴重な体験でございました!
オクターブはあっさり弾けるようになるのかと思いきや、そこが意外にも
普通のピアノで弾く時以上に難しいと感じました。
普段オクターブを弾くときに手を目一杯広げる癖がついてしまっているせいで、
逆に広げすぎてしまうわけで、微妙に狭く手を広げるための筋肉を育てる必要があるなと感じました。
ですが、オクターブが満足に届かない鍵盤で演奏し続けることにくらべたら
遙かに利点の方が多い訳で、今後も演奏を続けるのであれば、
やはり細幅鍵盤は必要であると認識いたしました。」
以上です。
*細幅鍵盤を弾いてみたい方はこちら。(クリック)