若返ってピアノが帰ってきた!

80歳のマリア・カラスが35歳に若返って帰ってきた*、ような感じ。
半年ぶりに再生工場 Piapit からブラザー GU-131 が戻って来ました。

梱包を取り除くピアノ運送のスタッフさんたち。

ジャーン!! 傷だらけだった外装が、ピッカピカに。

出荷時のチェック図面。なにしろこのピアノは45年前から山形市→板橋区→入間市→西東京市→清瀬市→国分寺市と放浪の旅を続けてきた。ほぼ満身創痍。「音さえちゃんと鳴れば、それでいい」とボク Kurze Finger は開き直っていた。
ところが上下左右、どこを見ても鏡のようにツルツルに変身して戻って来た。望外の幸せとはこのことである。

低音部の巻き線はすべてピカピカの新品に交換されていた。チューニング・ピンも。ボクは、いわゆる「ジン線、ボン線」である5~6本だけ交換されるものと思っていたので、これも望外の幸せだ。(畏友Dr. S.のコメント。ボン線の交換は、巻き線全線セットでします。ボン線だけ交換すると音が揃わないので。)

譜面台の蝶番3つも、新品に交換されていた。(ゆるゆるのバカになっていたもの。)

さらに。サビと汚れにまみれていたペダルもピッカピカに。

白鍵も黒鍵も、まるで歯医者さんでクリーニングされたようにくっきりと。(畏友Dr. S.のコメント。白鍵の爪傷取り(バフがけ)、白鍵の指垢取り、小口の交換(張り替え)は、以前Dr. S.が氏のピアノをオーバーホールしてもらった際に基本料金に入っていたそうです。)
ちなみに、上記の外装、蝶番、ペダル、鍵盤については見積書に入っていません。見積書にあるのは「弦、バス交換/キーピン磨き/アクション総合調整/Key上面均し/運送(往復)」だけ。
「キーピン磨き/アクション総合調整」は外から見えるものではない。弾いて分かるかも。
(畏友Dr. S.のコメント。felt も交換していると思うので、圧倒的に摩擦が低減しているはず。これは touch として明らかに差が出ます。)たしかに、トリルとか微妙な打鍵が流暢になっています。

デジタル・ノギスで計測すると、1オクターブは 152,7mm。DS 6.0 (151~153mm) に該当します。

今や、ほとんど珍品に属するブラザー GU-131、重量230キログラム(本体のベースはアトラス・ピアノ)。帰ってきたマリア・カラス35歳は、よく歌います。嫋々たるショパンの和声進行も、うっとりするほど現前させます。久しぶりにマズルカ5曲、ワルツ5曲を弾いて陶然となりました(自己満足)。録音して音源も貼りつけようかと思ったけれども。搬入後調律が済んでからにしないと、Piapit 様に失礼に当ると考えて自粛しました。
*今回の修理に関して、修理内容と費用のバランスはきわめて満足すべきものだった。
*マリア・カラスの享年は53歳です。かりに長生きした場合、の話です。ドイツ語文法接続法第二式。
* Piapit (クリック)

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