齋藤亜都沙(推し!)のピアノリサイタル(7月9日)

五反田文化センターの音楽ホールは、ピアノリサイタルに特化した施設である、ように思う。スタインウェイ D 274 を二台備えている。いやが上にも高い天井。残響は 1,4秒(満席時)。本郷の永田音響設計による。250席。昨年の聴衆のほぼ倍のファンで客席が埋まっていた。

齋藤亜都沙は第五回目のソロ・リサイタル(2022年3月)からこの会場を使っている。今回でこの五反田文化センターは三回目になる。その甘美な響きの一端はYoutubeで聴くことができる(まだ当日の演奏動画はアップされていないので、過去の動画を貼りつける)。D 274 の響きだ。

ボクはもちろん、双眼鏡 Vixen Atrek II 8×25 を離さずに齋藤亜都沙に喰入った。
髪の毛は綺麗に櫛が通っていて。眉は細く整えられている。睫毛は密で上向きにカーブしている。顔(かんばせ)は完璧。音楽が齋藤亜都沙に憑依していて、その指をとおして音楽が自分を歌っている、そんな感じ。眼の表情、額の明るさ、暗さなど音楽そのものが齋藤亜都沙になっている。至福の眼福、耳福でありました。
プログラムは、1.シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26. 2.フォーレ:ノクターン第5番変ロ長調 Op.37. 3.シマノフスキ:マズルカ作品50より、第一曲、第二曲、第十五曲。4.ショパン:ピアノソナタ第3番ロ短調 Op.58.
演奏そのものを描写するのはほぼ不可能なので、最後のピアノソナタのフィナーレの描写を。
「ロンド主題は、繰り返される度に、伴奏が濃密になり、激しさを否が応でも増していく。そして、第254小節からの輝かしいロ長調のコーダへ一気になだれ込み、勝利のアコードを宣し、全曲を高揚感に満ちて締めくくる。」(下田幸二:ショパン全曲解説、ショパン)聴衆からブラボーの声も上がった。(昨年はなかった、たぶん。)

アンコールのマズルカを弾き終えて一礼する齋藤亜都沙。
終演後に齋藤亜都沙がロビーに姿を現すと、言葉を交したい聴衆が長蛇の列。われわれサポーター(?)は最後尾に並んで、順番を待った。

「推し」の後期高齢者は倖せそう。

左からC氏。種谷典子ソプラノリサイタル(2024年2月10日東京文化会館小ホール)で齋藤亜都沙の伴奏に惚れ込んだという。齋藤亜都沙。音楽評論家T氏。シマノフスキ:マズルカを高く評価していた。右端が Kurze Finger 。次回のアナウンス。

安井耕一氏は、特異な経験と持続的思索を重ねた、ユニークなピアニスト、指導者であるらしい。齋藤亜都沙の音もこの「師匠」の指導の賜物だと思われる。

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