GVIDO II を使ってみたけれど。
2画面電子楽譜GVIDOは、まことにありがたい機器です。これがなかったら、拙演の録画は不可能だった。かりに録画のために譜めくり嬢(譜めくり君でもいい)を捜すとなると、『パリのアメリカ人』を目で追って譜めくりできる人はそんじょそこらにいない。いても、アポをとって、撮り直しなどで気を遣って、謝礼、お見送り、等々。それよりは、フットペダルを含めて約21万円のGVIDOの方が、時間とエネルギーの節約になる。ところが最近、このGVIDOが販売停止になると聞いた。「諸般の事情により」とある。どんな事情かは知らないけれども、ぜひGVIDO IIIとか、あるいは他社からでも、ヴァージョン・アップした電子楽譜を提供していただきたい。以下に改善して欲しい事項を記すので、参考にしてほしい。
1.画面が小さすぎる。
GVIDOの謳い文句(ネット上)には「見開きA3版サイズと、一般的な紙の楽譜と同等に扱える・・・」とあるけれども。実際はそうではない。
GVIDOの外枠がA3版サイズなのであって、フレームの内部の画面はA4よりも小さい。そもそも楽譜のサイズは、タテヨコともにA4よりも1㎝ないし2㎝大きい。コピー防止のため、とかいう説はナンセンスで、この大きさは100年以上前、コピー機が開発される前からそうだった。GVIDOがA4にこだわる理由が不可解だ。
職場の同僚だった数学のM教授とは、何度か合わせたことがあるが、彼はヴァイオリンのパート譜を「A3版に拡大コピーして」弾いていた。高齢者になると老眼が進み、白内障が出てきて、細かい楽譜が読みにくくなる。GVIDOの超精細画面には付き合いきれない。われわれ高齢者にとっては、1頁B4のGVIDO画面でちょうど良いぐらいだ。
「ジジイの道楽に合わせる必要はない、無視。」と判断されるかもしれない。そうだろうか。40歳あるいは60歳からピアノを始める、ないし再開する人たちは多いと思われる。高齢者のニーズに配慮することが、これからの産業には必要です。
2.拡大機能はほぼ役に立たない。
オプションとして楽譜を拡大して提示することはできます。すると、こんな風になります。
右手の上部が切れてしまっています。暗譜していれば、まあこの程度でも無いよりマシかも。
この画面の下部では、左手の楽譜が、頭だけを残して沈没しています。
「拡大画面」は有効なときもあるけれども、往々にして無効です。
GVIDOの画面の基本的なサイズを拡大すべきなのです。
3.五線譜がかすれる。
五線譜というのは、五本の線がきちんと並んでいるから、奏者が音を特定できる仕掛けになっている。この線がかすれて消えていたら、たとえば右手の一番上の音がソなのかミなのか、分からなくなる。
こんな風に五線譜がかすれていると、もはやこれは楽譜ではなくなります。
4.連弾用楽譜が提示できない。
連弾用楽譜は横長です。これをGVIDOは提示できない。たとえばGVIDOを左右にバキッと割って、短辺同士をカチッと嵌めて、連弾用横長画面に設定できるとよいのですが。
(画面は四手用モーツァルト交響曲40番)
5.フットペダルの問題。
ケーブル接続で使っています。(Bloetoothで接続して不具合があった、というレポートを拝読した記憶があります。ボクはできるだけ実線で接続しています。)
ご覧のように、カーペット固定用の粘着テープを貼っています。
実際に演奏しているときには、次頁にゆく際にあわててフットペダルを踏むことが多い。何度も踏むうちに、ペダル自体が徐々に奥の方に移動してゆくのです。
だからフットペダルはしっかりと同じ場所にいて欲しい。波形ラヴァーとか、何らかの工夫が必要と思います。
次に電池の問題。使用後に、このフットペダルのスイッチを切っても、翌日使用しようとすると、すでに電池はゼロになっています(何度あったことか)。たとえば懐中電灯。C国製の懐中電灯の場合、当たり外れがあって、ハズレのときは、スイッチを切っても電池はすぐにゼロになります。それと同じ。ボクは使用後すぐに、単三電池を取り外しておきます。少々面倒。