レスキューは16日(月)です。
昼過ぎにケータイが鳴った。調律師ISAMU. H氏から。スケジュールが詰まっているので、来週月曜日に行くのが精一杯だとのこと。もちろんその日程でお願いした。いくつか技術的な懸念材料を話していたが、ここでは黙ることにする。(とはいえ。浜松工場のN氏が、ピアノを壊したわけではないと説明しておきたい。ベヒシュタインを模範としてピアノ製作を始めたヤマハ、カワイほかの日本の技術者にとって、この、アメリカから来たピアノはエイリアンだった。一例だけあげる。バランスレール(梃子の支点)から見て、打鍵の位置から支点、支点からキャプスタン(ウィペンを打つ部品)までは、コンソール・ピアノの場合5:4と決まっている。それがこのピアノでは5:3になっていた。これではキャプスタンの動く角速度、力、が別物になってしまう。それゆえN氏は鍵盤の板のほぼすべてを調整し直し、バランスレールを手作りで設置し直し、キャプスタンの位置を修正し、もちろん鉛の位置と量も変更した。down weight 50g, up weight 25g である。当初このピアノの鍵盤の鉛はまことにむちゃくちゃな位置、量であった。こんなものを輸入しなければならない、われわれは、何を考えているのだろうか。)
16日に何とかなるかどうか、分る。最悪の場合は、破棄だろう。ン百万円かけたボク、 Kurze Finger が馬鹿だったということになってお終い? このホームページに費やした膨大な時間は、何だったのだろう?
手の小さい人間がピアノを弾こうと思ってはいけない、と新約聖書とか憲法とかに書いてあるのだろうか? フツフツと怒りが沸いてくる。もちろん、われわれの手が小さいのではなく、ピアノの鍵盤がでかいのです――とにかく、来週月曜日です。不本意ながらこれまでオオカミ少年みたいに投稿していたので、訪問者のみなさまにお伝えする次第です。