春の口福。蕗の薹のパスタ。

ふとテレビの電源を入れたら、NHK「今日の料理」だった。藤井恵講師がにこやかに「山菜でデトックス」と題して、「こごみ」と「うるい」のナムルふきのとうのパスタなんかを作っている。いかにも簡単そうに、ササッと作っているので、ついおいらもやってみようか、と思ってしまった。(料理番組では、いかにも簡単そうに作ってみせるのだ。その下準備に多数のスタッフがかけずり回っていたに違いない。騙されてはいけない。)男性アナウンサーが、「ああ、いい香りがしてきました」とか試食して「もう、なんとも言えない春のほろ苦い味ですね」なんて言っている。
実際に作ってみたら、たしかに。これは、死ぬ前に一度は食べておいたほうがよい。パスタ料理だけれども、イタリアにもドイツにも、おそらく無いだろう。(辞書でドイツ語の蕗=フキを調べると、「ペストの根」Pestwurzel とある。あの伝染病のペストの熱を冷ますのに、根が使われたらしい。「うるい」も「こごみ」もヒットしない。「山菜」は「食べられる野生の草」essbare wildwachsende Pflanzen なのだ。
コロナ禍中の運動不足解消のため、徒歩で駅前に買物に出た。まず何でもある「志村」でふきのとう1パック(12個入り)350円(内税)とこごみ1パック(9本入り)180円を購入。うるいはなかった。次に書店でNHK「今日の料理」3月号を購入、税込み556円。たった2頁のために556円は辛いが、スマホで撮影するわけにもいかない。次に東武ストア地下で「うるい」を捜す。赤い頭巾をかぶった、いかにも食料品売り場にふさわしい、ふくよかな店員に「あの、うるいはどこですか?」と質問。「へ?!・・・」と、うるいを復唱すらできない。初耳だったらしい。「ちょ、ちょっと待って」と他の店員を捜しにあたふたと駆けていった。その間ぼんやり売場をみていたら「うるい」が陳列してあった。258円。
さらに「えごま油」を捜すと、なんとも高価である。ミニミニ・サイズを見つけた。299円。なんだか大変なことになってきた。アンチョビも買わなければならない。どうせイワシの塩漬けだろうと思っていたら、小さな瓶詰めのアンチョビ・フィレが458円だった。帰宅してから電卓をたたくと、しめて2101円。うっかりテレビを点けたばっかりに、とんだ散財になってしまった。
たしかに、調理時間は短くて済んだ。「こごみ」と「うるい」のナムルも絶品。ふきのとうは、あと10個残っているので、あと五回食べられる計算だが、さすがにそれは・・・。半分は蕗味噌にしよう。
――細幅鍵盤ともショパンとも関係のない話で申し訳ありません。演奏録画の作成までは、諸般の事情であとしばらくかかるので、時折このように脱線します。訪問者のみなさまに感謝申し上げます。

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