DS 6.0もスタンダードになる(かも)!(シリウス6.0) 

すでにこのブログでお伝えしたように、シュトゥットガルト音楽演劇大学ピアノ教育学では、DS 6.0のピアノを教室に導入し、標準鍵盤と並行してスタンダードにしようとしている。
(ヨーロッパ・ピアノ指導者協会総会でDS 6.0のピアノが試弾・公開)
2024年2月26日のシュトゥットガルト新聞は、この朗報を大々的に伝えている。(記者Hans Jörg Wangler)

(二台のスタインウェイ、細幅鍵盤(左)と標準鍵盤を手中にしたシルヴィア・モラン(ピアニスト、Sirius6.0コーチ))((c) Lichtgut/ Photo: Leif Piechowski. Stuttgarter Zeitung Nr. 47. Montag, 26. Februar 2024)
まずは手っ取り早い方法として、シリウス6.0 のYoutubeを見てみよう。


Jinzi Juさんは情報不足だったので、もちろんボク Kurze Finger は、Wohlwender教授にメールを送り、日本の大橋幡岩のディアパソン・ピアノや中田喜直のことなどを伝えた。もう一本。

シルヴィア・モランはサンパウロ出身。「シリウス6.0指導」の授業を担当している。またレーゲンスブルク音大の講師でもある。
日本人の Yu Tashiro君 の Youtubeもある。

ヴォールヴェンダー教授のYoutubeもあるが、ドイツ語で話している。内容はきわめて説得的だけれども、結局このブログでずーーーっと話していた内容と同じなので、カット。
シュトゥットガルト音楽演劇大学(HMDK)ピアノ教育学科では、4年前からヤマハの小型グランドピアノにDS 6.0の鍵盤を装着して試弾と実演の経験を重ねてきた。この度スタインウェイDにDS 6.0の鍵盤を装填したので(これには27,000ユーロ=約4,400万円もかかった)、このピアノによる演奏コンサートを開催する。4月13日(土)19時から学生、教員、ゲストが演奏。5月26日(日)17時からは、第4回国際ストレットピアノフェスティバルの一環として、14名のピアニストによるコンサートが開催される。
シュトゥットガルトとは
ボク Kurze Finger は2016年に海外学術調査でシュトゥットガルトを訪れた。ヴュルテンベルク王国の都だったこの町は、ローマ時代以来の歴史を誇る、ドイツ第六の都市である。人口約63万人。ダイムラー・ベンツおよびポルシェの本拠地でもあって、豊かで明るく、先の大戦の爆撃で破壊されなかったら、日本の京都なみに観光客を引き寄せていただろう。

(photo by Pixabay)
ここにシュトゥットガルト音楽演劇大学(HMDK)が設置されたのは1857年。今は世界40カ国から集まった860人の学生が学んでいる。シュトゥットガルトにはオペラ劇場があり、交響楽団があり、バレエがあり、もちろんコンサートホールもあり、伝統を踏まえた最先端のパフォーマンスもある(らしい)。どこかの国の花嫁学校みたいな音大とは違って、このHMDKはピリピリした現場のステージ、劇場に直結する可能性をもった教育施設なのだ(たぶん)。


本館。(設計:James Stirling. Foto: Sohn von Mussklprozz)
このシュトゥットガルト音楽演劇大学に細幅鍵盤(DS 6.0)が導入されるということは、あなた、大変なことなのですよ。ドイツでもっとも古い音楽大学の一つ。いかに充実しているかは、音楽留学のデータを見れば分かる。(クリック)シュトゥットガルト音楽演劇大学
ただしこれが定着するかどうかは、予断を許さない。
時間の問題、資金の問題
以下はボク Kurze Finger(もと三流ドイツ語教師)とヴォールヴェンダー教授との質疑応答です。

カリキュラムはどうなっていますか?
学生はSirius6.0のピアノを演奏することによって、単位修得できるのでしょうか?

(photo:Oliver Röckle) わたしたちは2020年から、Sirius6.0の試作モデル(ヤマハの小型グランドピアノ)で経験を蓄積し始めました。スタインウェイDにSirius6.0を装着したのは、やっと三週間前です。今年はこのスタインウェイDで、まずコンサートの経験を集めます。おそらくこのピアノで試験演奏ができるかどうかの議論が可能になるのは、まだまだ先のことです。

細幅鍵盤の導入は大学に認められ、予算的に支持されていますか?
クラウドファンディングをされているので質問します。

ピアノ科は、細幅鍵盤の導入を理念的に、大いに好奇心をもって支持しています。しかしこれを調達するだけの資金がありません。できるだけ多くの人びとに知ってもらい、また支持してもらうために、わたしたちはクラウドファンディングを決断しました。

たとえばシュタインビューラー社を通せば、細幅鍵盤をもっと安価で導入できることを、すでにご存知と思います。シュタインビューラー氏はボクにこう書いています。
“We can build a DS5.5 action for Yamaha grand pianos model number C2, C3, C6, C7, and CFX for $15,800 plus the shipping.” すなわち約14,600ユーロ(約240万円)です。(シュトゥットガルト新聞によれば、ヴァイブリンゲンの製造業者ハラルド・シュレッカーによるピアノの改造には約5,000ユーロ(約816万円)かかり、グランドピアノの場合はその2倍、したがって約1,632万円かかる。すでに記したように、スタインウェイの改造には27,000ユーロ=約4,400万円かかっている。)
ありがとうございます。もちろんそれは知っています。シュタインビューラー氏は鷹揚ですばらしい! しかし彼が作れる数は限られています。(KF: たしかに、ふつう一年待ち。)ですから、ヨーロッパの製造業者がシュタイングレーバー(バイロイト)のモデルに倣って6.0鍵盤を提供してくれることを期待します。

――以上をまとめると、細幅鍵盤Sirius6.0の将来のイニシアティブを成功裏に発展させ続けるために、スタインウェイのコンサート用グランドピアノに装着するSirius6.0の鍵盤をできるだけ早く購入しなければならない。そのためのクラウドファンディングである。とにかく応援しなければ。
ドイツ語の分かる方々のために
ヴォールヴェンダー教授のYoutubeと、シュトゥットガルト新聞の記事全文PDFを以下に貼りつけます。

この記事全文の日本語訳を貼りつけます。
シュトゥットガルト新聞

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