細幅鍵盤をゲットする微(かす)かな可能性

前回、 Kurze Finger は「可能性はほぼゼロです」と書いたけれども、まったくゼロではない。
以下にいくつかの可能性を列記します。
1.ヤマハの「教育用グランドピアノ」を捜す。
これは高名な調律師ISAMU. H氏の話。昔々、ヤマハがそういうピアノを製造していた。まだ時たま出ることがある、とのこと。これは15/16サイズであるらしい。見つかれば、なんといってもヤマハであるから、オーバーホールも可能だろう。ただしボク、 Kurze Finger が近所の某楽器店、某調律師に問い合せたところ、初耳だし、これまで扱ったことはない、とのこと。
2.ブラザーの細幅鍵盤ピアノを捜す。
ボク、 Kurze Finger が自宅にもっている。これは約40年前にブラザーの社長に長い手紙を書いて、ほぼ半額でゲットしたもの。内側に「教」というマークが大きく書いてあるので、やはり教育用(手の小さい子供用)なのかも。15/16サイズです。本体はアトラス・ピアノであり、約50年前の製造だから、オーバーホールはきわめて困難(部品がない)。腕の良い、情熱的な調律師に調整してもらって、なんとか弾けるかも。(ある調律師は一目見て、これはやれません、と帰って行った。)世間では「ピアノ売ってちょうだい!」と中古ピアノをかき集める業者がいるけれども、「標準鍵盤ピアノとちがう」と引取られないまま残っている可能性はある。「ゆるい春子さん」のように、オクターブを弾くときに、かろうじて指の端っこが鍵盤にひっかかるような方は、これでかなりラクに弾けるようになります。
3.ドイツのメーカー、Klugeに発注する。https://www.kluge-klaviaturen.de/index_en.html
おそらくご存じの通り Little Hands さんが『細幅鍵盤随想記』に海外メーカーを紹介しています。
http://littlehands782.blog.fc2.com/blog-category-9.html (ただしKlugeのURLは繋がらない。)そのうち、ドイツの Kluge は検討に値するかも。申し訳ないが、アメリカほかのメーカーはリスクが大きすぎる。Kluge はスタインウェイの系列とあるので、おそらくスタインウェイに細幅鍵盤を組込む。高額になりそう。念のために「鍵盤の沈み込みは10㎜+-0,1㎜ であるか、黒鍵の up weight は25gであるか、白鍵の down weight は52gであるか、打弦距離は何㎜であるか?」など、確認するとよいでしょう。代理店があれば、かなり安心。シーズニングの問題等もあるので、リスクは伴います。
4.ドイツのメーカー、Laukhuff に発注する。
上記3同様、LittleHands さんが紹介している。https://laukhuff.de/?lang=en
オルガンの部品を製造しているように見えるので、細幅鍵盤のみの製造かもしれない。これはむしろ日本からヤマハないしカワイのピアノを空輸して、鍵盤を組込んで貰うのがよいのでは。(日本で弾くピアノは日本製に限ります。欧米のピアノは、調律しようにも、ピンが回らなくなる。合板が日本の湿気を吸って膨張するからです。) Kurze Finger のように指の太い人は、レ、ソ、ラの白鍵の上部を太めに作ってもらう、などの注文が可能かも。コストはそれなりにかかるでしょうが、ボク、 Kurze Finger はこれまで、輸入、調整(作り直し)、調律などなどで300万円近いお金を蕩尽しちゃいました。それでも「なんちゃってピアノ」です。(ペダルがほぼ効かない、など、弾いていて気持ち悪くなる。)
ちゃんとした細幅鍵盤ピアノが弾けるならば、ある程度のコストは仕方ない、と考えるほかありません。
5.ヤマハ、カワイなどの日本のメーカーが、細幅鍵盤ピアノを作ってくれるならば、万事解決なのですが。おそらく日本の音楽愛好家の充実した生活を願って、深ーい哲学的確信に基づいて、人類の四分の一の(身体的)エリート層のためのピアノを製造し続けているのでしょう。心から感謝申し上げます。(もちろん皮肉です。)
なお以上は Kurze Finger の経験と見聞にもとづく管見です。発注等は自己責任でお願いします。

 

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