岩波文庫が変わってきたらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンナ・ゼーガースの『第七の十字架』を入手した。タイトルだけは50年前から知っていたけれど、本を手に取るのは初めて。本文のまえに「訳者まえがき」があり、「時代/場所/登場人物」の解説がある。岩波文庫を最後に買ったのは吉川一義・訳『失われた時を求めて 7』で、そこには詳しい案内があったけれども、これはプルーストだからだろうと思っていた。どうやら違うらしい。むかしの岩波文庫はブッキラボーに、分からない人は読まなくてもいいよ、という感じだったが(ボクにとって)、この頃は読者が入りやすいようにという配慮があるようだ。ドイツ語の授業でも、最初のコマで「ドイツがどこにあるか、分かりますか?」みたいな導入をやるのがこのごろの傾向だし。活字は大きくて、読みやすい。ルビもそれなりに付いている。(老眼にはそれでもつらい時がある。)