第 383回 「森繁節」の巻
第383回「森繁節」の巻
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1句(立句) 和子さんの解説によると、映画「座頭市」のなかで森繁久弥が歌った都々逸「ぼうふらが人を刺すよな蚊になるまでは、泥水飲み飲み浮き沈み」を踏まえているそうです。
2句(脇句) 底紅とは、むくげ(木槿)のこと。(花の底、萼の近くが紅色。)古家の大甕にぼうふらが湧いているところを、むくげが覗いている、という構図。
3句 このところの異常気象のため、数百年びくともしなかった古民家も濁流に襲われた。
8句 12月23日(天皇誕生日)、24日(聖夜)、25日(クリスマス)。お休みにするところが多いけれども。私立大学は2月に大学入試期間があるので、国民の祝日であっても、授業日にする。(そうしないと文科省が指導する、年に30週の授業日が達成できない。)というわけでデートは除日(大晦日)に。
13句(月) 7月29日は十五夜だった。網戸(夏の季語)越しに満月を見たら、格子が入って、メロンパンみたいだった。
18句(折端) 京ことばに悪のりして。こいちゃん(こいさん)は、ふつう末娘のこと。谷崎の細雪の表現を借りた。
25句 歳時記カレンダーの記載による。ふだんトイレに掛けている(失礼)。三上の一つ、すなわち馬上、枕上、厠上(しじょう)。(欧陽脩「帰田録」より。)
32句 そのまま。貞操帯はアポリアで、じっさいにはどうだったか不明。(ヨーロッパのあちこちの博物館には展示されているが。明治大学博物館にも。)製作した錠前屋を買収すれば着脱は自在だった。装着後に錠前屋が殺されても、別のプロがいたはず。また、訃報が届けばヤスリ一本で自分で外せたはず。思うに、装着される皇妃は嬉しかったのでは。恒常的な嫉妬のあかしなのだから。(誰が好きでもない女に貞操帯なんか着けるか。)
以上、妄言多謝。