「ゆすらの実」の巻です。
第382回「ゆすらの実」の巻(改)
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1句 立句の悦子さんは、詩界賞を受賞した詩人でもあります。
3句 最初は「下校の女子」でした。国立の並木道(山口瞳は「日本一美しい大通り」と書いている)の午後、女子中高生が談笑しながら下校しているので。しかし5句で「姫君」を出したら、女子と姫君では近すぎる、とご指摘があり、「児ら」に変更。
5句 もちろんかぐや姫の帰還のイメージ。4句の色とりどりにはためく衣につけて。
10句 海外学術調査の帰り際にウィーンの空港で、ゴディバなどのチョコを大量に購入。事務室にお土産にしました。
12句 東北の豪農を連想しました。高価な手回し蓄音機で音盤を聞けたのは、金木町の津島家とか、宮沢マキとか、一部の人たちだけだった。
16句 毎年受験シーズンになると、韓国のパトカーが受験生を会場まで送ったというニュースが流れる。
10財閥系の企業に入らないと始まらない学歴社会だとか。
18句 子供の頃、仙台の梅田川の土手で篭一杯のよもぎの若芽を摘んで帰ったことがある。数日後よもぎ餅になった。あんなすばらしいよもぎ餅は、空前絶後。
21句 白樺の樹皮からとれるキシロースが原料。1976年にフィンランドのアリエ・シェイニンらが実験で虫歯予防を確認したとか。
24句 はたしてトランプと金正恩が終戦に合意するか、世界が固唾を呑んでいる。
27句 ゲーテの『若きヴェルテルの悩み』から。館で若者たちが興ずるうち、雷雨が襲う。土の香りがたち昇るなかシャルロッテがぼつりと「クロップシュトック・・・」とつぶやく名場面。ここでヴェルテルと心が結ばれる。
30句 そのまんま。さんま。(ウィーン方言でwir sind の意味でもある。)
33句 国立の大学通り。一橋大学はウグイスの養殖をしているのではないかと思うくらい、啼きまくっている。
36句 これもそのまま。35句の「未知の生」を受けて。