細幅鍵盤をゲットする可能性は?

すでに一度このHPに書いたように、可能性はゼロに近いです。以下に管見を記します。不正確、認識不足などありましたら、ご教示いただければ幸いです。
1.特注を受ける業者がいない。(10年前だったら可能だったかも。)
今年1月に届いたSteinbuhler-Walter社のピアノを一目みて、調律師のISAMU. H氏は「〇流ピアノだから、すぐに返品するといいよ」(儀礼上〇としました)と語った。ボク( Kurze Finger )が7/8サイズのキーボードはこれしかないので、返品するわけにいかない、と説明すると、ISAMU. H氏はすぐさまケータイであちこちの業者に打診した(ちなみにISAMU. H氏は帝国ホテル、迎賓館などのグランドピアノの調律を引受けている大物です)。「日本鍵盤」などの昔からの業者は、高齢化などのため廃業しており、7/8サイズのキーボードを作成する技術者が、もう見つからない状態だった。
2.大メーカーは海外に展開し、技術者も海外で指導。製作過程はロボット化、IT化している
たとえば某社は中国で部品を生産し、インドネシアで組み立てている。浜松の微調整はコンピュータで行う。エンジニアは韓国、中国などで指導しているという。
3.欧州のメーカーに、わずかに可能性があるかもしれない
巨象のようなヤマハ、カワイと比べたら、プレイエル(フランス)、ブリュートナー(ドイツ)などは町工場みたいなものなので、特注の手作りを引受けるかもしれない。もちろん金額によるだろう。そして日本に届いてからのシーズニング、補正、調律などの手間とコストは当然かかる。またトラブルが生じた場合、打つ手がない可能性が大いにある。
4.署名運動だけでは、効果のほどは疑問
現在展開中の署名運動は、5年間で全世界で1000人に満たないという、がっかりするほどの低迷ぶり。のみならず、「あったらいいと思う」とか「あるべきだ」とかいう署名は、ほとんど意味がない。実際に細幅鍵盤の製品を買うとは言っていないからだ。メーカーにとっては、誰が買うのか、何台売れるのか、が先決問題だ。冷静に現状をみると、ウサギ小屋の日本家屋ないしアパート、マンションに、すでに1台ピアノがあるとして、もう一台置くスペースがあるのか、購入する財力があるのか?「未知数」というよりは、「ほとんどない」と判断する方が、マチガイは少ないだろう。ひどく手が小さくてオクターブも届かない人は、とっくにピアノをやめている。反対にスパンに何の問題もなく弾いている人は、細幅鍵盤の必要性を感じない。その中間の、やめるでもなく未練たらしくピアノを続けている、ニッチな層が、顧客となりうるのだが、そのうちどれだけの人びとが購入できるかどうかは不明、というわけだ。
5.サンプルがなければ予約もできない
かりに、頭金10万円とかを出して、かならず購入します、という顧客が100人いたら、メーカーが動くかもしれない。(その程度では動かないかも。)そのためには「こういう細幅鍵盤ピアノです」という実物を見て、弾いてもらわなくては、予約の取りようがない。そのサンプルがない。(ペンシルヴァニアのあのピアノは論外です。)ニワトリも、卵もない、という状況では、始まりようがない。
6.それでも、諦めたら負け。
現行の標準鍵盤ピアノはLLサイズ(中田喜直)。人類の4分の3が排除されている、とんでもない状況であることは事実です。腱鞘炎ほか怪我人は多発している。このホームページを見ている方々が、友人知人に少しずつでも、こういう選択肢(オプション)があることを知らせ、演奏に困難を覚えている音楽愛好家が救済される方法があることを伝えてくだされば、いつか成果が上がる、かもしれないと思っております。

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