第399回『散紅葉』の巻

第399回「散紅葉」の巻(改) https://musil0723.sakura.ne.jp/chopinfan/wp-content/uploads/2019/11/6111979dcdd8ccd305a32453aeffaf67.pdf
(詳しく歌仙を見たい人は、プリント・アウトを作成してください。)
悦子さんの立句(たてく)。「ちりもみじ」と読みます。
2句 珍しく七緒の脇句が採用されました。脇句だけは、当日連衆が短冊で提出し、ホワイトボードに恆雄さんが書き出して、あれこれ評定をしてから、番号(脇句候補にそれぞれ1~15など番号をつける)を紙片に3つ書いて提出。最多得票の脇句が採用される。今回はいわば消去法で決まったようなもの。脇句(短句・7・7)候補は20句ほど出たけれども。まず「散紅葉」が冬の季語であることを知らずに、秋の季語の脇句がいくつか、これらは削除。次に、「寺」の入った脇句が候補外になる。「仁王」と「寺」とは、ほぼ一直線というか「付きすぎ」になる。脇句は「1メートルぐらい離れるべし」と言われる。つかず離れず、というよりは、ちょっとだけ離れる。ズレないと3句以降の展開ができなくなるので。3句以降は5メートルとか10メートルとか離れて展開してゆく。それからカタカナの入った脇句も、(牢名主の以和於さんのコメントによれば)表6句にふさわしくない。脇句をどう作るか、なかなか難しい
7句。前の句の「油まじ」とは、油風ともいい、晩春4月ごろに東海道から瀬戸内の船乗りが使う、南寄りの風。油を流したようなおだやかな風、とのこと。それを受けて、伊豆の戸田とか沼津、あのあたりの海辺に進出した。
14句。前句の台風を受けて。19号の死者は32名。負傷者、避難民など被害は膨大である。全国の中小河川の約7割が、防災工事未着手であるという。土木課の担当者がいない町村も数多いという。いったい国は、国土交通省はどのような指導をしてきたのか。本四架橋を四本も造るヒマと金があったら(代議士の地元対策としか思えない)、阿武隈川とか利根川の対策が先だろう。失礼ながら大嘗祭の建物などに――秋篠宮様が言うように――27億円かけている場合だろうか。「国民に寄り添う」「被災者に心を痛める」方々は、もっと質素でもよろしいのでは。(前回も書いたが)江戸時代なら、治水奉行は切腹だろう。でも、長期政権のトップのコンセプトの問題ではないだろうか。関西電力のトップの収賄事件も、お咎めナシ。マスコミがトップを撃つ力を喪失している
21句。ムツゴロウが唖然として眺めているのは、昨今の「入試改革」。記述式導入そのものは、方向としては悪くない。しかしそれは5万人とかが受験するセンター試験では無理に決まっている。各大学ごとの二次試験とか、AO入試など限られた窓口で採用されるべきだ。英語の会話能力についても同様。最初から数万人の英会話能力について、一点刻みの評価を出すことは不可能に決まっている。二次試験以降ないしAOとか推薦とかの限定窓口で可能になる。英語が喋れない日本人の問題は、千年以上の歴史があって、遣唐使しか中国に行けなかった時代の漢文は、中国語を喋ることを考えていないし、明治の英語も、英米に留学することを考えていなかった。つまり千年以上、外国語は暗号解読学であった。それをここ10年やそこらで改善しようとするのだから、無理がある。(えーと、ボク自身はドイツ語をまあ喋れるし、ただ暗号解読をしているつもりはないが。)
「記述問題」のおかしなところは、週刊文春が書いているように、下村・元文部科学大臣とベネッセとのつながりである。予備校講師、アルバイトなどが採点要員として、すでに準備ができていたとか。「お友達つながり」で採点業務の費用など巨額が流れ込むシステムが出来上がっているように見受けられる。モリカケ問題、観桜会、シンゾー先生の公私混同というか、公私合体政治が、あからさまに見えているのでは。
26句。ピカソの「哭く女」は、少なくとも2枚、知っている。要するにピカソが新しい女(ないしモデル)に乗り換えて、捨てられた女が哭く、それを画材にしているという、残酷な絵。
31句。前句「数え日」は年末。それゆえ新年に移行した。国分寺市内藤あたりにも神社がある。今どき羽織袴で参拝する人も、(いるかも知れないが)いないので、こういう服装にした。こんなアンチャンでも、いちおうお参りはする。

 

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